祭りの話

 俺は自分がクソ野郎でもいっこうに構わねえのさ、だって聖人も囚人もみんな同じようにきれいさっぱり洗われて次に流れていくんだからな。わたしはなるほどと思った。彼はわたしと契約してもいいと豪快な口ひげを広げるようにして笑い、黄ばんだらんくい歯を見せつけた。厚顔な嘘つきの禿げ頭が撒き散らすような地獄や天国は存在せず、人間は死ぬとその魂がエメラルド色の川に飛び込んで13人の洗濯女が待ち構える下流へと流されていき、そこですべての罪を洗い流されてまた次の世に送られていくのだという。わたしはその話が気に入って、彼の小屋でほんの少し芸人の真似事をさせてもらった。粗野だが優しい男だった、わたしがその晩稼いだのはいちばん小さな硬貨が六枚と、かびの生えかかったパンのかけらだけだった。