「ふざけんなよ! あんた近ごろ払いが悪いぜ」
ギークは血脂で胸まで汚して、快活に金をせびった。わたしが知る芸人たちの中で、彼が最も邪悪で強欲で、そのうえ純真だった。友に向かって減らず口を叩くのを何よりの娯楽としているこの狐はまだ十六で、伸びかけの少年の手足はどんな時でも追加の金子を要求するのだった。
「あまりきみにばかり金をやったら全員の顰蹙だ、そいつを買いつけていると破産の一路しか道が残らない」
これを受け彼はげらげら笑った。「全部やっちまえ、無一文になったらあんた自身の手で稼げよ」含みを持たせた一言に、双方にんまりとする。野蛮人がふたつ揃って、テントの薄暗がりに沈んでいる。サイドショーの腑抜けた明かりは魔法をかける、嘘はこの薄暗がりで真の繭を被り、それが人々の一種卑俗な好奇心を満足させるに足るフリークをいくたりも羽化させるのだ。だが彼らの魔法も既に落ち目になっていた。「こういうのはどうだ、あんたのその手の甲に鱗を彫り込んで、つけ爪をするのさ、トルコ人の刀みたいなやつを(そういえば、あれを飲もうとして一人死んだよ)。顔の半分にもやって、売り文句はそうだな、『鰐と人のあいのこ』。なかなかだろ?」
「そしてきみのお株を奪う。鶏はこちらに回してもらうから、きみは蛇を食え」
「そうでもしないと飢え死にしちまうもんな。いや、あんたがだよ。あんた、外じゃあ目立っていいんだが、ここじゃ埋もれちまう。ただ贅沢暮らしが長いから、生の鶏はおれほど上手く食えないよ」
と、彼は足元の手桶から、貧相な羽の塊を取り上げた。首は引きちぎれ、粗い断面を晒していた。
「もう血の出ない肉は食えない」陽気なギークは初めて弱気らしいものを見せた。「血がいちばんうまい。臭いし、大した塩気もないんだけどさ」
まだたっぷりと残っているであろう血は滴って床を汚した。板敷きでもない、むき出しの土だった。