現実

 朝の光は昨夜の魔法を奪い去り、椅子の上で縮こまる私の生徒の哀れな有り様を、無慈悲な明度で描き出していた。彼の落ち窪んだ眼窩や頬の陰影は不必要なほど協調され、親しい友人の寝顔というよりは、日常的な栄養失調に晒された人間の標本とばかり感じられる。こうして見ると彼はまったく、死にかけの男だった。かたく閉じられた瞼の下で、いったいどんな夢がこの貧しい労働者の生活の痛みを和らげてやっていることだろう。私はしばらくこの無慈悲な解剖図を眺めてから、起きて自分の生活を始めることにした。毛布一つ除けただけで、白い空気が身震いをひとつ引き起こした。夜の間の暖房が十分でなかったことはたびたびあって、そういうときには怒れる住人の群れに加わって、管理人へ正当な抗議を伝えてやるのが常だった。そう、これはまったく正当な要求だった! 一方で、Kはいつでも寒い所で寝起きしていた。
 彼は慣れきってしまっていた。寒さにも、眠るに適さない場所で身を折り縮めるのにも。私は彼に歩み寄った。素足のままだったので、氷の上を歩くような心地がした。そしてこの場の眠り姫は、近くで見ればなおさら病人じみて見えた。ばら色には程遠い、蝋のような顔色だった。褪せた唇は乾燥して薄皮が浮き、血の滲んだ痕があった。電灯の光の下で気づかなかったのは、それがもたらすなめらかな影に沈んでしまっていたからだろうか。ただ気づきはしなかったが、私は知っていた。昨夜は何度もこの唇に触れたのだ。少しばかりざらざらしていて、たまに鉄錆の香りを感じた。どうでもよかったから忘れてしまったのだ、彼が口づけの合間に囁く、学んだばかりの詩の引用のほうが、私にとってはずっと大事だった。学ぶ喜びを伝える生徒の姿は、若鳥のように生き生きとして美しかった。

 朝の光は昨夜の魔法を奪い去り、Kを死にかけの男に戻してしまっている。我々のこの愛情が、あまり長く続くものではないことは、どんな魔法でも誤魔化しようのないものだった。だが私は、身勝手にも、事実に満足していた。私とKの物語は、おそらく──多くの愛と呼ばれる事象のように、互いの不和によって終わることがなさそうなのである。